【生産国別】スパークリングワインの味の違いを解説します
スパークリングワインとは、二酸化炭素をたくさん含んだ発泡性のあるワインのことです。
主な生産国はフランスやイタリア、スペインやドイツなどです。
ここでは主なそれらの生産国のワインの原料や味わいなどの特長について紹介します。
フランスでは、シャンパーニュー地方で作られる「シャンパン」といわれるものが代表的です。
シャンパーニュのアルデンヌ地域圏で造られたピノ・ノワールやムニエなどの黒ぶどうとシャルドネ種の白ぶどうを使って、瓶の中で二次発酵をさせ15か月以上寝かせて作られます。
二次発酵の際には発泡のもとになるティラージュというシロップを混ぜ、最後にリキュールとドサージュというシロップを入れることも特徴的です。
シャンパーニュ地方は寒冷地で、ブドウを生産する地域でも最も北にあたりますが、そのような寒冷地で育ったブドウは糖分より酸味が強く、スパークリングワインにとても適しているのです。
イタリアでは、フランチャコルタというスパークリングワインが作られています。
イタリアのロンバルディア州にあるフランチャコルタ地方が生産地で、シャンパーニュの次に世界中で品質が認められているワインです。
作り方もシャンパンと同じように瓶内で二次発酵させます。
その後シャンパンは15か月寝かせますが、フランチャコルタは最低でも18か月熟成させるところに違いがあります。
またシャンパンは2度絞りも使われますが、フランチャコルタは1度絞りのみを使う店も異なるところです。
原料となるぶどうはシャネルドをはじめピノ・ノワールやピノ・ビアンゴなどです。
フランチャコルタはシャンパニューよりも温暖な気候のため糖度が高いブドウが収穫でき、果実味があり酸が抑えられた味わいのワインができるので初心者でも飲みやすいとされています。
スペインでは、カタルーニャ地方でカヴァというスパークリングワインが製造されます。
カヴァもシャンパンと同じような作り方ですが、カタルーニャ独特のぶどうを用いて作ります。
シャドルネやピノ・ノワールも使いますが、カタルーニャ独特のぶどうは酸味が穏やかなので飲みやすいです。
温暖な気候のため果実は成熟度を増していますが、その分糖分を加えない辛口のものも多く生産されています。
カヴァは土のような香りがすることも特徴的です。
ドイツでは、ゼクトというスパークリングワインを作っています。
シャドルネやピノ・ノワールも原材料として使われますが、近年はモーゼル地方で栽培されるエルプリングを使うことも多いです。
エルプリングは糖度は低くて皮が薄くてかびやすいというデリケートな性質を持っていますが、酸味が強くてさっぱりとした飲み心地のワインになります。
製法はシャンパンと同じ方法もありますが、瓶内二次発酵のあと冷却とろ過を行いトランスファー方式や大きなタンクで二次発酵させるシャルマ方式も用いられます。